在原業平が自らの死を予期した歌(*1)を評して紀貫之が、「その心あまりて、言葉足らず」と言ったそうだ。
たった31字(短歌)の中に、心から溢れ出るような切ない感情を表現した業平への名評と言われている。
ラジオから流れる宇多田ヒカルさんの[花束を君に]を聴いた時、そんな貫之の言葉を思い出した。
「どんな言葉並べても 真実にはならないから 今日は贈ろう 涙色の花束を君に・・・・言いたいこと 言いたいこと きっと山ほどあるけど 神様しか知らないまま 今日は贈ろう 涙色の花束を君に・・・どんな言葉並べても 君を讃えるには足りないから 今日は贈ろう 涙色の花束を君に」
あふれた感情を伝える[花束を君に]は、どこか切ない、ですね。