心地よい一日, 更新情報  2015/05/27

東洋大学にシンポジウムを聞きに行く

教壇に立つと、本を読んで解ったつもりだったことも学生の前で話すとアタフタしてしまうことがある。
部分的に曖昧であったり、説明の順番を間違えて筋が通らなかったり。
つまり、「解った気になって」いただけである。
「本当に理解している」というのは、学生の前で解るように説明出来て初めて言えることで、そうでなければ教壇に立っても、まだ「専門家」とは言えない。

先日、東洋大学に、内田先生のレクチャーを聞きに行った。
テーマは「電柱」
電柱をよく見ると、細部においてとても丁寧な仕事・・にも関わらず、それが集積してくると、徐々にその統一感を失って煩雑な姿になっていくという話だったけれど、単に美醜の話に留まらず(それがテーマではあったけれど)、その煩雑に見える姿を通して、細部における日本人の几帳面な気質、全体はおいては継足しの都市構造、の鮮やかな説明になっていた。
電柱から見た、日本人論であり、都市論であった。

大学では「設計意匠」が御専門とのことだけど、もう押しも押されぬ「電柱専門家」である。

画:hiromichi yasuda

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