高橋ビル202号室

超低予算のリノベーション

アパートの一室をリノベーションした事例です。

依頼主は、黄金町でまちづくりをしている、NPO(黄金町エリアマネイジメント)でした。

古くなったアパートの一室を、「長期滞在するアーティストの為のレジデンス(宿泊施設)にリノベーションして欲しい」とのことでした。

「自由にやっていいですよ」と言われて、まさか、ホントに良いの?!と半信半疑で引受けた仕事でしたが、勿論そんなに甘い世界ではありません。 確かに、設計は自由にやらせてもらったのですが、工事予算が100万。

8坪程だから、施工坪単価12.5万・・・・トホホ(水回りも含むのです・・・)

ま、しかし、ローコストというのも、建築家にとってはやりがいがある相手。ムラムラと反骨精神が目覚め、ここは頑張らねば、と。 早速、気を取り直し、コンセプトを考えました。

改装前の写真

ゲンチク。(減築)

無駄なものを省くことにコンセプトにすえたらどうだろう? 天井裏を覗き込むと、鉄骨ブレースと、ALC板が見えました。ちょっと汚れていたけれど、塗装をすれば充分そのままいける。それから、不要な壁。室内の壁が光を遮り部屋も狭くしていました。 ゲンチクのアイディアはいけるかも。

改装中の写真

通常、リノベーションでは、[撤去費+製品代+取付費]となりますが、物を減らすだけなら、[撤去費]のみ。

例えば、天井板をはずせば、天井が高くなって、空間が大きくなります。 雑壁を取り除けば、中央の部屋にも光が届き、明るくなって広くも見えます。 ボックス型のキッチンは、箱ごと取り除いて天板と流しだけにすれば足下もスッキリします。

現代は、物が増えて、それを隠す為に収納を作ったり、屋根裏を隠す為に天井を張ったり・・・いつの間にか人の居る場所がどんどん小さくなっていきます。 物を減らしていけば、部屋は広くなるし、スッキリするし、施工費も抑えられる。 ホントに必用なものは実はそれ程無いのです。

最後に、畳だけは「ゲンチク」せず新調しました。長期滞在のアーティストが、一日の労働が終わってゴロリと横になれるように、肌触りには気を使いました。また、レジデンスのアーティストは海外からも来ると聞いていたので、日本の畳の良さを感じてもらいたいとも思いました。

 

今回の工事では不要なものと必用なものを選り分けることで、施工費を抑え、しかも昭和の雰囲気を残しながら、明るく広い室内を作る事ができたと思います。

 

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横浜の住宅
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ズバリ! 超低予算のリノベーション
   
場  所 神奈川県横浜市
構  造 鉄骨造4階
規  模 改修部分 26.49㎡
PHOTO: takeshi goto