近代建築の5原則(※1)からは大きく逸脱した、晩年の自由な造形、これまでにいろんな人が語ってきたけれどその通りだった。
クチュリエ神父(※2)の熱心な説得と「施主は口出ししない」という条件もあり、コルビュジエは引き受けた、と言う。
(勝手な条件だなあ、と思ったけれど、設計報酬もほとんどもらっていない、と聞くと、なんとも複雑な思いになる)
厳しい予算制約の中でコルビュジエは徹底的なスタディを重ね、ロンシャン教会の自由な造形を実現した、という。
静寂あり、崇高性あり、そしてユーモアあり。
今回強く感じたのは、その「勝手な条件」から生まれた自由な造形 は、自己表現のためではなく、依頼主や信者、そして建築の歴史というより「大きな存在」のために捧げられた利他的な表現だった。
そこを肌で感じるからこそ、ここに来た人は皆感動するのではないかしら。
やっぱりコルビュジエは・・・・・尊敬すべき恐ろしい人だった。
※1 近代建築の5原則
ル・コルビュジエが1926年に提唱した、現代建築の基礎となる5つの設計ルール。
「サヴォア邸」で完璧に体現された。
※2 クチュリエ神父
マリー=アラン・クチュリエ神父(1897-1954)は、ドミニコ会の修道士であり、「現代キリスト教美術の父」とも呼ばれる人物。コルビュジエにロンシャン教会の設計を依頼する。

来訪者は、丘を登ると教会に出会う

鋳鉄製の手摺りデザイン

雨樋。豚の鼻にも見えてユーモラス

色鮮やかなガラスはコルビュジエの直筆だが、ステンドグラスではない、と言っている
回転扉。コルビュジエ直筆。