建築まめちしき  2023/05/18

屋根の話

日本の屋根型は、大きく分けて、切妻、寄棟、入母屋、がある。
僕は、寄棟以外は全部設計した事がある。

方形の屋根も、形で言えば寄棟の一変種、とも思えるけど、やっぱり別のものと言った方が良いだろう。

内田祥哉さんの本を読んでいたら、寄棟というのは、日本では最も汎用性のある型で、その理由は、どんな平面だろうが、寄棟の組合わせで対応出来るからだそうだ。

ちなみに、屋根は、谷の作り方が難しくて、「良い谷」と「悪い谷」がある。
良い谷は、谷の勾配が1/10以上はあり、水が外に向かって履ける谷。山脈にできる沢のような谷。
悪い谷は、谷の勾配1/20以下と緩く、ゴミが溜まると水の行き場がなくなる谷。
山では水が堰き止められると湖が出来るが、建築では雨漏りの原因となる。

平面形状が複雑になっても、寄棟の組合わせは水捌けの「良い谷」を作る事ができて、平面が雁行していても、新たに増築しても、どこまでも「良い谷」の組合わせで屋根を架けられる、という訳である。

画:hiromichi yasuda

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA