心地よい一日  2022/08/29

岩堀・長尾さんの自邸を訪れて

「我孫子ビレジ」内にある集合住宅の一室を改修した、お二人の自邸を見せていただいた。
その日は、30℃を超える真夏日だった。

我孫子ビレジは3.2haの広さを誇り、開発されてから40年以上とのこと。
建物の高層化によりフットプリントを抑えて敷地内を緑化したおかげで、木陰は涼しい。モダニズムの手法が、理想的に実現された環境だった。

お二人に案内されて室内に入ると、淡いグレーに統一された室内は爽やかな風が流れていた。
間取りは、東西に長いワンルームで、それぞれの端部は大きな開口部、緑化された樹木が目に入ってくる。
通風が良く、収納棚や間仕切りに掛けられたレースの白い布が柔らかに揺れて、その視覚効果にもなっている。
東からリビング、キッチン、ワークスペースと全て見通せるが、東西の端部が明るく中央のキッチンが薄暗い。その明暗も効果的だった。

岩堀さんにお話を聞くと、温熱環境、風環境、光環境については、かなり丁寧に設計しているとのこと。
一言で言うと、自然環境と人工設備を、バランスよく取り入れ、どちらも大切にしながら人間にとっての「快適性」を考えての設計だった。

外気温は30℃を優に超えていたけれど、僕らはエアコンなしで、汗もかかずに2時間も話し込んでいた。

今度は冬も体感させていただきたい、とお願いして帰路に着いた。

画:hiromichi yasuda

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