建築まめちしき  2022/07/12

上棟式の話

上棟式当日は、鳶職人・大工が柱を建てて梁を架けていく。プレカットで刻んだ木材を、まるでパズルのピースを入れて行くように組み立てて行く。夕方近くに、全体像が掴める大きさになったところで上棟式を行う。
複雑な住宅だと、2・3日かけて、組み立てることもある。

施主と設計者、施工者とで、幣束(へいそく)に向かって、二礼二拍手一礼。最後に、隅柱に塩・米・酒・餅をまいて一通りの儀式が終わる。

上棟式は、平安時代の昔からあったと言われている。
今では安全祈願などの意味で行われているけれど、柱を立て梁を架ける行為がなにか神聖な姿に見えて、神に祈らずにはいられなかったのではないかと思う。
プレカットになった現代でも建物が立体的に組み上がって行く姿は、どこか崇高なワクワクする高揚感がある。

平安の昔から変わらず日本人が感じてきたことなのだろう。

 

画:hiromichi yasuda

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