心地よい一日  2020/09/27

東大寺大仏殿を再建した男

以前から読みたかった作品で、伊藤ていじさんの「重源」という本がある。

重源とは、平安時代末期に焼失した東大寺を再建した人である。東大寺大仏殿は、3度建立されていて、重源が再建したのは2度目の大仏殿。それは現在の大仏殿よりも一回り大きかったと言われていて、例えば、柱一つとっても直径は1.5m程、高さは30m強、全て真物だったとか。

この本は、お化けのような建物をどのようにして建立したのか、その物語が小説仕立てで書かれている。

経験を積むと、未だ経験した事のない新しい事を試みるのに、怖さ・プレッシャーで押しつぶされそうになる時がある。見通しが効くものには必要以上に強気になり、見通しの効かないものには必要以上に弱気になる、要は保守的になる。仕事の規模が大きくなり関係者も増えて行けばなおのこと、僕も、そんな年齢に差し掛かっている。

重源は、東大寺再建を、61歳から始めている。
建立の為の資金と人を集め、資材を調達し、技術的な構法を考え、金も出さない当時の政府からは完成の期日だけは要求される。
そんな責任を独りで背負って、仕事が始まった。

400pを超える大著、伊藤ていじさんは、この本を書き終えたのは72歳だった。

この2人のモチベーションが知りたくて、僕は「重源」を読み始めた。

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