奥さんが、注文書に向かって、ブツブツと不平を言っている。
幼稚園で配られたらしいのだが、子供のパンの注文書コピーを見てしきりにブツブツ言っている。覗き込むと、白黒コピーのパンは真っ黒で墨の塊のようだった。ふっくらとした美味しそうなパンではこれっぽっちもなかった。
また、ある時は、マスクに不満を言っていた。
息苦しい、とか言って、中のガーゼを抜くなど層状のフィルターを数枚切り剥がして掛けていた。本来の効果があるかどうかは別として。
彼女の不満を聞いていてもなぜかユーモラスなのは、矛先が「者」に向かうのではなくて、「物」に向かうからかもしれない。
心地よい一日 2020/09/11