柄谷行人の講演集にこんな主旨の話があった。
幼少の頃にネガティブな事を言われていると、それが自己暗示となり、へたをすると”予言”になってしまうという。
例えば、「お前は出来の悪い子だ」など。
対して、ポジティブな事を言われていると、自己肯定感の強い人になる。たとえそれが根拠の無い自信でも、いずれ”予言”となってしまうという。
例えば、「君はきっと成功する」など。
良きにつけ悪しきにつけ、何気ない一言が子供の将来に影響を与えてしまうという話。
子を持つ親としては人ごとではない、と思った。
最近、自分の自己肯定感が落ちているので幼少の頃はどうだったんだろうと、ついつい考えてしまった。
当時、親から何を言われていたか覚えていないけれど、ただ、考えてみたら、大学を卒業するまで、入試を含めて大事な試験では一度も落ちた事が無かった。
少なくとも、親は、適切な言葉で然るべく育ててくれたのだろう。最近の自己肯定感の低下は、単に50台の憂鬱か・・・
親がしてくれたように、子供にもしようと思う。
画:hiromichi yasuda