心地よい一日  2019/02/08

横浜国立大学の卒業設計

先日、横浜国立大学の卒業設計発表に参加させて頂いたが、大学における卒計発表の理想的な姿を見たので、ここに書いておきたいと思った。

横浜国立大学建築の大学院(Y-GSA)はとても個性的な制度で、建築系大学教育の現場では有名である。実際、教授陣には国内外で有名な建築家が数多くいて、ここを巣立って行った学生が近年頭角を現し始めている。

ただ、今日はその話では無くて、卒業設計を見守る大学の教員達に、大学のあるべき姿を見たので、報告しておきたいと思ったのだ。

卒業設計の発表と審査は、丸一日かけて行われた。当然、計画系(設計)の先生や非常勤の先生が中心となって発言する訳だけれど、横浜国立大学では、構造系、環境系、歴史系の先生が参加されていて、しかも殆ど全ての先生が、それぞれの視点から卒業設計に対して批評をしていた。構造系であれ環境系であれ歴史系であれ、建築に欠くことの出来ない重要な分野だけれども、その立場からしっかり発言されていた。

建築はどの分野が欠けても片手落ちになってしまうし、事実不要であればとうの昔に淘汰されていただろう。今も研究が続けられている事自体が必要である事の裏付けとなっている。

学生も、建築が総合的である事を理解して、所属する研究室以外にも独自にヒアリングしているようであった。

大学教育が専門分野に特化して横の繋がりが希薄になってきていると言われて久しいけれど、本来はそれぞれの専門性を横に繋ぐ何かが必要であろう。
卒計発表で、それぞれの専門領域を繋ぐきっかけに学生の建築作品が一役買っていると感じた。

画:hiromichi yasuda

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