心地よい一日  2018/06/08

原広司さんの城西小学校

今月の新建築に、原広司先生が巻頭論文と2つ作品を発表していた。
つい先日、奥さんの若菜さんに原先生の最近のご様子をうかがったところ、
「もちろん元気よ。まだまだやりたい事がいっぱいあるみたい」
と聞いて感心していたところだった。

発表作品は、城西小学校と慶松幼稚園で、ともに、30年〜40年前に発表した作品の改築、建替えである。
同じクライアントから、継続的に仕事を依頼される・・・このような仕事は、素直に、羨ましく思った。
発表作品には、同じ施主と長く間付き合っているからこそ実現出来る、空間の広がり(環境)があった。

例えば植栽。原先生は樹木の事を書かれていたけれど、木が成長して程よい環境になるにはどうしても時間がかかる。
名家のお屋敷にお抱えの植木屋さんが居たのは、施主と植木屋の付かず離れずの関係が空間を成熟させるのを知っていたからだろう。

もう一つは空間的な広がり。例えば代官山ヒルサイドテラスのように増築を重ね、時間とともに豊かなエリアになったのは、継続的な施主と建築家の関係があったからだろう。

[建築の設計]から[環境の育成]へ。
[時間をかけるからこそ]得るものがある、というのは「継続」とか「コツコツと」とか「地道に」等の言葉を使う時の気持ちを想像したら、誰もが知ってる事だろう。

羨ましくもあり、僕もそうありたいと、心から思った。

画:hiromichi yasuda

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