木材の話
木材を外部で使うのはあまり賛成出来ないけれど、どうしても使いたい時に気をつける事は、大きく3点。
1)濡れる場所では、木材は[縦]に使うべし
2)木材は、[生きた木]近くでは使うべからず
3)平板は、年輪の目をそろえて使うべし
では、順番に解説
1)
木材が常時風雨にさらされる場合、木材を横に使うと腐りやすい。
湿気が腐る原因だけど、木材には道管があって横に使うとそこに水がたまりやすい。
2)
生きている樹木は蒸散作用で水蒸気を出している。だから、樹木の周りは常に湿度が高い状態。1m程度は離すといいでしょう。
木材に蔓草などを絡ませるのは・・・論外。
3)
木材は、反ったり縮んだりする。板目の平板は年輪の外側に向かって反りやすい。複数の平板を「面」として使う場合、板目を揃えないと暴れる。
その他にも、
地面から30cm以上離して使え!
西面に使う場合は保護塗料を多めに使え!
赤身と白太では赤身を使え!
安田先生、あけましておめでとうございます。
年も明け、卒論、建築では卒業発表のシーズンになりました。
仙台では、せんだいデザインリーグもあるので、こちらもにわかに建築熱が盛り上がってきます。
そんな中、このシーズンは毎年、先生のお話に通じるような光景をよく見かけます。
生徒「建物の中に生きた緑の環境を作り上げ、彩りある空間を…」
先生「木を建物の中に植えたら、湿気でじめじめして、住めるわけねぇだろぉ」
建築は門外ですが、そんな私でもこのような光景を何度か見ました(笑)NHKで放映された伊東豊雄先生のドキュメントでも、所員が似たようなコンペ案を提示したら、伊東先生が「学生のような間違いしてんじゃない、ばかやろう」と一喝してました。木の扱いって難しいですね。
あけましておめでとうございます。
御返事遅くなりました。
緑は、環境の時代と言われている今はますます建築に取り入れられています・・が、確かに学生の提案は技術的なフォローが無くて、ピロティの下に平気で芝生を植えたりと、閉口してしまう事が多いですね。
以前、藤森照信さんが、屋上緑化に対する厳しい意見を言っていたので、あれ?と思ったら、自分が屋上緑化で失敗した実感からの意見でした。(笑)
あと、杉本洋文さん(木造建築が得意な建築家)が、木材を外壁に使うな!と言っていたのですが、やはり、専門的にやっている人程、イメージ先行の技術に甘い提案をすると、怒り爆発、という事になってしまうんですね。
その意味では、伊東さんも藤森さんも、新しい事をやる場合には、かなり注意深くやっています。表にはあまり出てきませんが。
ブログで僕が言っている事例は、僕の実感というか、失敗例です。(笑)