色彩計画が、機能的な役割も
職能開発総合センターは、これから就職しようとしている人、転職を考えている人の為に、職業スキルを身に付けるための施設です。
それぞれの事情を持った人たちがこの施設で職業訓練をして、新たな職場に旅立って行きます。
僕の事務所に求められた要求は、施設内の古くなったトイレの改修でした。
施設全体から考えたらわずかなエリアとも言えますが、考え方次第では面白くなる仕事だと思っていました。部分としてのトイレ設計ではなく、施設全体にとって必用なデザインは何か?を考えていたからです。
この施設の入校生にとって役に立つようにと設計をすすめました。
「気分転換」が出来るトイレ
ここで試みた事は、主に2点。
一つは、明るく、清潔感があることです。
トイレが持つネガティブなイメージを払拭したかったからです。
もう一つは、職能開発総合センターで学ぶ人たちの「気分転換」が出来るような場所を考えました。
具体的には、やや意識的にビビッドな明るい「色」を使っています。 それも、「トイレブース」と便器だけ「色」を使っています。
女子トイレをコスモスピンク、男子トイレはサルビアブルーです。
空間全体(床・壁・天井)で、色を使う事も出来ましたが、やや色が強すぎると思ったので、部分の扱いに留めました。
結果的に、空間全体(床・壁・天井)に色を使わなくて良かったと思っています。
壁・天井を「白」としているので、ブースの色が映り込んで、空間全体が程よい感じで色味が出ています。
反射の効果によって、トイレ前の廊下に立つと、サインを見なくても、女子トイレ、男子トイレがどちらか一目で解ります。色彩計画が、機能的な役割も果たしている訳です。
反射を通して色が廊下にしみ出た様相で、普通とは少し違ったトイレになったと感じました。 同時に、職業スキルを身に付けるために努力している人たちにとって、ちょっと気分転換が出来る場所になったと思っています。
いかがでしたか?
不明点はお気軽にお問合わせください。
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どうぞ、じっくりご検討ください。