蔵のように木の架構が見える空間
この施設は、日中保護者が家庭にいない小学生児童(=学童)に対して授業の終了後に適切な遊びや生活の場を与える、児童の健全な育成を図るための子供達の居場所です。
これは横浜市のプロポーザルで私の事務所が選定されたプロジェクトです。
外から見ると小さく、中に入ると大きな空間
私達は、この施設で子供達がのびのびと時間を過ごす事が出来るように、部屋の天井高さを高くして大きな空間としました。それと同時に、周辺から見たらそれ程大きな施設に見えないように軒高を抑えています。つまり、外から見たら小さく、中に入ると大きな空間となるような建築を目指しました。
昔の蔵のように木造の柱・梁を現しに
もう一つの特徴は、1階2階共に、天井の木構造をそのまま見せるつくり方をしています。
昔の蔵のように木造の柱・梁が現しになることで、木造の力強さと美しさを同時に表現しています。コンクリートの校舎とは対比的な空間となり、放課後は木に囲まれた空間で和やかな時間を過ごしてもらう事が目的です。
外壁耐火で設計し、木を現すことを可能に
実は、木を現しに表現する事は、難しい事でした。 というのは、現代では都市の不燃化が進んでいて、この建物は法規上「準耐火建築」であり通常は石膏ボードで木を囲む必要があります。(下図の左側「イ準耐」)
今回は、外壁耐火(1時間 ※1)という手法で設計しているので、インテリアの木を現わすことが出来ました。(上図の右側「ロ準耐1」)
これによって、木の架構が見える蔵のような空間が可能になったわけです。
(※1 木造の外壁耐火は、平成26年の告示によって可能となりました。)
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