夏と冬で光の入り方が違う保育園
待機児童対策で、既存の保育園が手狭になったため、木造で60㎡弱の増築を要請されました。この施設は横浜市のプロポーザルで私の事務所が選定されたプロジェクトです。
木質感を現し、落着いた、優しい施設に
私達は、この園が育児支援センター園でもあるので子育て支援の拠点という位置づけで、育児に関わる親の不安や負担を軽減することを第一に考えました。 そのためには、落着いた、優しい施設が求められます。
この施設の1番の特徴は、木質感を現すことで、室内が落着いた雰囲気になることを目指しています。例えば、天井は構造材が顕しの華奢なルーバー状になっていますが、人に優しいスケールと、軽い感じの天井に仕上がっています。
建具はラワン材にオイルフィニッシュの塗装として、触った感触が冷たくない、優しい感じで仕上がりました。
床は、弾力性、保温性に優れた5mm厚の天然コルク材を使用しているので、例えば子供達が裸足になったり、そのまま座っても肌に優しい仕上としています。
夏と冬で光を調整する庇(ライトシェルフ)
第2の特徴としては、ハイサイドライトと室の内外に出た庇(ライトシェルフ)です。
園庭に向かっては大きい庇で、日差しを遮ったり、雨の日に遊べるテラスであったりして、 部屋と園庭を繋ぐ中間領域のようなスペースをつくりました。
南側は室内外に出た小さな庇で、夏場と冬場の光を調整しています。(下図)
例えば、夏の暑い直射光は遮り、その代わり庇から天井に反射させて室内を明るくしています。
冬場は、室内の奥まで光が入るようにしていて、室内が暖かくなり、しかも明るくなります。
庇は、長期的に考えれば、建物を紫外線や雨から守る役割も果たしています。
このように、庇を効果的に使う事で、室内外を繋ぐ中間領域を作ったり、光のコントロールする装置となったりして、優しく快適な室内を作っています。
いかがでしたか?
不明点はお気軽にお問合わせください。
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どうぞ、じっくりご検討ください。